Home > カガク | ギロン > 【難解】存在確率マイナス1???

【難解】存在確率マイナス1???

ちょちょんまげさんのブログ「東海林さだおがいいなぁ」のエントリ『鶴の恩返し、量子力学、そして「マイナス1の存在確率」、あるいはぬこの運命 パート2』が面白い。

これは、日経サイエンス10月号の内容を受けての記事で、テルアビブ大学のヤキール=アハラノフ名誉教授による、新たな量子論の解釈?(見方、視点というほうがいいのかも)を示したもの。

■神のサイコロ

dice

アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と頑なに主張したという。
つまりステキイラストの中にある「確率1/6の雲の中」などという状態は存在しなくて、きちんとした理論があれば、宇宙(世界)のできごとは「決定論的」に分かるはずだ、というもの。

ところが、ニールス・ボーアだとか、ハイゼンベルグとかが推進した量子論は、アインシュタインがいろいろと反論した「パラドックス」を退け、ここまで発展してきた。つまり、世界の仕組みというのは、その最も根源的な部分、つまりミクロな領域では「確率で記述するしかない」ということが分かった…らしいのだった。

これはとっても大事なことを示唆していて、現代宇宙論の主流である「ビッグバン宇宙モデル」においては、原初の宇宙は原子核よりもっともっと小さい…つまり、量子的スケールからスタートしたことが想定されるから、宇宙全体が「確率でしか記述できない」ということになってしまうのだ。

これは、COBEやWMAPなどの「宇宙背景放射」の観測によって「密度ゆらぎ」が発見されたことなどから、ほぼ間違いない測定事実として広まっている。
宇宙が「ほぼ均等」なのに「まったく均等」ではないのは、宇宙開闢時の「量子的ゆらぎ」によってできた泡やすき間のおかげ、ということらしいのだ。

■弱い測定

ところが、このアハラノフ氏は、確率1/6の雲の中にあるサイコロの状態も「弱い測定」という手法で観測することができる(らしい)と主張している。

dice2

自然のこうした特性を式で示すには、量子的な状態を表す波動関数が2つ必要になる。1つは過去から現在までを示す波動関数。そしてもう1つは未来から現在までを遡って記述する波動関数だ。私は量子的な状態を、この2つの波動関数を使って書き直した。

↑というのがアハラノフ氏へのインタビュー記事の抜粋。
イラストで示したAとBがそれぞれの波動関数で、波動関数は「時間対称性」を持っている。つまり時間を順向きに書いても、逆向きに書いても、そのまんま成立するので、Bは「決定したひとつの未来」からスタートして、時間を逆向きに「現在を記述する」というもの。

時間対称性なんていうと難しいが、要するにこれは

時速40キロで走る車が2時間走ったら…40×2=80
なので「80キロ進んだ」というのに対して
時速40キロで走り続けている車は、2時間前には…40×-2=-80
なので「80キロ手前にいた(戻った)」ことを示すのと同じ。

なのだ。
もちろん、波動関数はもっともっと難解な数式だけど、時間対称性という数学的概念はこれとまったく同じ。ニュートン力学も波動関数も時間対称な数式で表すけれど、一般相対性理論は時間対称性をもっていない。熱力学なども、不可逆性をルールにしているので時間対称ではない。

まぁ、この辺までは私でも理解できるのだけど…この先がどうしてもよく分からない。
まず、

数学的に言えば、観測による壊れの程度は、観測によって得られる情報量の2乗に比例する。情報量を小さくしていくと、壊れ度は急速にゼロに近づく。得られる情報を極限まで減らせば、重ね合わせを壊さずに観測することが可能になる。1回の測定で得られる情報は非常に少ないが、測定を何度も繰り返すことによって、量子状態を見ることが可能になる。

と、アハラノフ氏は述べている。
ちょっと難しいけど、ここも分からないほどではない。要するに、温泉をチラチラ覗いている分には湯気に隠れたオッパイが見えることはないが、なんとなく輪郭は分かる。でも、それが本当にオッパイかどうかは一度見ただけでは分からない。もしかしたら、オサンのお尻が浮いているのかも知れない。そこで、湯気の向こうを何度もチラ見すれば、モヤモヤしたものがなんなのか、段々分かってくる。ところが、頭に血が上って湯気の中に入ってしまえば、湯気は見えなくなり、オサンの尻と対面することになる…みたいなことだ。

yuge

しかし…量子状態を測定すると云っても、いくら同じ状況を作っても、結果は確率どおりのランダムさを必然的に示す。そこで『測定対象が実験の最初から最後までまったく同じになった場合だけを選んで測定する(アハラノフ氏)』なのだそうだ…。

※追記:ある出来事(観測)の結果を確率で表せるのなら、それは「必然的に」その確率の範囲で実現する。これは「非決定論」だけど、まったく予測がつかないというわけではない。

これが、先のステキイラストにも描いておいた「最初が1、最後が3」という状態。
でも…普通に考えたら『1の目が出ているサイコロをサイに入れて転がして、3の出目が出た場合』だけを集めたら、当然、サイの中にある出目も3だろう、と思えるのだが…。

■存在確率マイナス1???

私は「マイナスの確率」という言葉は使わない。「負の確率」というのは、なにかが負の数だけある、というのと同じで、意味をなさない。光子の数がマイナスなのではなく、物理的な特性がすべて逆になった光子が正の数だけ存在する、とみるべきだ。

え?ええ?
これは日本のグループが干渉計をつかった実験で「弱い測定」をしたら、干渉計の中の光子が「存在確率マイナス1」として観測された、ことを受けての発言。実験結果の意味が分からないし、アハラノフ氏の云っていることも意味が分からない。

電子の反粒子といえば「陽電子」だ。マイナスの電荷を持つ電子に対して、プラスの電荷を持つ素粒子を陽電子と呼ぶ。ほかにも電荷が中性な中性子の反粒子である「反中性子」というのも見つかっていて、どっちも電荷は中性になるが、構成する素粒子が、中性子ならばクォークになり、反中性子なら「反クォーク」になる。

※追記:光子の反粒子は光子。光子と光子が衝突しても対消滅は起こらない。

ファインマンによれば、陽電子とは、「過去に向かって進む電子」なのである。これは一見、因果律を破る恐ろしい発想のように思われるが、現在では陽電子を普通に反粒子として扱っても、またファインマン流に扱っても、得られる結論は同じ事が分かっている。
http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~miyake/D/DYNAMICS.htmlより引用

なんか…存在確率マイナス1の粒子というのは、この陽電子のことを指しているように思えて仕方がないのですが…違うんですね…。
で、これは普通の「対称粒子」の話で、理論的に予言されている「超対称性粒子」というのもある。それは光子(フォトン)に対する「フォティーノ」などなのだが…どうやらアハラノフ氏が述べている「物理的な特性がすべて逆な粒子」というのは、これでもないらしい。

じゃぁ、それってなんだ???
ここから、話がさっぱり分からなくなってしまう(苦笑)。

さっぱり分からなくなったところで、続きは次回にしよう…。

Comments:2

犬の人 09-09-26 (土) 18:35

えっと・・・・・
オッサンのお尻とオッパイが似ているという事だけ理解できました!

NAN 09-09-27 (日) 4:12

犬の人さん

オパーイとお尻は超対称性を持っています。
でも、存在確率マイナス1のオッパイは弱い計測でしか
観測することができません。
すべての物理特性が逆になるオパーイです。
あまりありがたくありません。

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:1

Trackback URL for this entry
http://www.avgas-bb.com/wp/wp-trackback.php?p=449
Listed below are links to weblogs that reference
【難解】存在確率マイナス1??? from 粉塵爆発電網記憶
trackback from 譚ア豬キ譫励&縺?縺翫′縺?>縺ェ縺 09-09-29 (火) 10:02

鮓エ縺ョ諱ゥ霑斐@縲?㍼蟄仙鴨蟄ヲ縲√◎縺励※縲後?繧、繝翫せ?代?蟄伜惠遒コ邇??阪?√≠繧九>縺ッ縺ャ縺薙?驕句多繝代?繝?

縺阪c縺√?懊?¨AN縺輔s縺ョ譛?鬮倥↓繧上°繧翫d縺吶¥縺ヲ繝薙ず繝・繧「繝ォ逧?↓繧りェュ縺ソ繧?☆縺?お繝ウ繝医Μ縺後≠縺後j縺セ縺励◆縲

縲宣屮隗」縲大ュ伜惠遒コ邇??繧、…

Home > カガク | ギロン > 【難解】存在確率マイナス1???

FEED

Return to page top